「就活偏差値」算出してみよう

「就活偏差値」算出してみよう

就職活動には、受験ほど明確でないにせよ「偏差値」が存在します。
例えば、簡単な英語の構文が分からない人が大学受験をしても合格はおぼつかない。同様に「なぜ当社を志望したのですか?」といった基本的な質問に答えられない人物が、大手商社、メガバンク、大手食品メーカーと言った人気企業から内定をもらうことはありえません。

「就活偏差値」を知ると、自分がどの位置にいて、今後何をすべきかわかります。
「就活偏差値」には「伝える内容」「企業、業界に関する知識」「面接、エントリーシートでの伝え方」の3教科あります。まずは1教科目から始めましょう。

1教科目「伝える内容」

※仮に「偏差値40にも当てはまるし50にも当てはまる」と感じたら偏差値45としてください。

偏差値30
1 自分の強みがわからない。
2 志望動機や自己紹介を考えても「明るい性格です」「がんばり屋です」といった漠然としたことしか思い浮かばない。

偏差値40
1 自分の強みを1~2点は伝えられる。
2 ただし「自分にはこんな強みがある→だからこんな具体的なエピソードがある→だからこの業界・企業に向いている」(これが回答の基本形です)と論理的に話し、相手を納得させることはできない。
3 自分の強みを深堀りしてくる質問への回答は考えていない(強みは説明できるが「なかでもどこで苦労しましたか?」「なぜそれをやったんですか?」と深掘りされると対応できない)。

偏差値50
1 自分の強みを3~5点は伝えられる。
2 かつそれを「自分にはこんな強みがある→だからこんなエピソードがある→だからこの業界・企業に向いている」と論理的に話せる。
3 ただし内容はほかの就活生と比べ特段「面白い」と感じず、差別化はできていない。
4 強みを深堀りする質問の半分くらいは回答が準備できているが、半分くらいはその場で考える。

偏差値60
1 自分の強みを説明せよと言われたら5~10点は伝えられる。志望する企業に合わせ、話を選ぶこともできる。
2 時々、面接官が食いつくネタや、他人から「面白い」と言われるネタを話せる。
3 強みを深堀りする質問の8割方は回答が準備できている。

偏差値65
1 強みを11点以上伝えられる。志望する企業に合わせ、話を選ぶこともできる。
2 ほとんどの質問に面接官が食いつくネタや、人に「面白い」と言われるネタを話せる。
3 最近、大学生の間ではこんなことが流行っていて~」「こういう評論家の方がこのサービスをこう評していて~」など、面接官が知らないことまで話して感心されることがある。

※上記の偏差値に下記の値を足してください。
偏差値+10:部活や学業で特筆すべき結果を残した話がある。(例:部活で野球の甲子園のような著名な大会に出た、長期留学経験があり語学に堪能、起業の経験がある、研究で特筆すべき成果がある等)。
偏差値+5:趣味やアルバイトで特筆すべき結果を残し、その証拠も示せる。(例:世界何か国を旅した、アルバイト先で表彰を受けた、文化祭や学園祭で中心的役割を果たした、バンドで人気を得た等)。
※サークルの幹事長、バイト先での売り上げアップ(証拠なし)等は偏差値に変更なし。

2教科目「企業、業界に関する知識」

※仮に「偏差値40にも当てはまるし50にも当てはまる」と感じたら偏差値45としてください。

偏差値30
1 どんな業界があるかわからない。だからどこを受けたらいいかわからない。
2 自分の強みがわからないから、どんな業界に向いているかもわからない。
3 「就活会社四季報」などの資料を見たことがない。

偏差値40
1 漠然と「この業界がいいかな」と考えているが、どんな強みを持つ人物を求めているかはわからない。
2 志望する業界はあるが、人気の業界でだから内定をもらう自信がない。しかしほかの業界のことは知らない。
3 志望する業界はあるが多数ありすぎ、どう絞っていくべきかわからない。
4 自分の強みは挙げられるが、志望動機とリンクしていない。(部活の部長やバイトリーダーなどやってきたことはあるが、その経験が志望の業界で活きるかどうかわからない)
5 将来、どんな商品やサービス(仮に出版社なら書籍や雑誌)を作りたいか、と聞かれても具体的には答えられない。(多くの消費者を幸せにする商品、といった漠然とした答えしか返せない)。
6 当社の商品やサービスで何が好きですか? と聞かれれば答えは返せるが、なぜ好きか、どこが優れているのかを聞かれても言語化できない。(食品なら「おいしいから」、ゲームなら「面白いから」くらいしか言えない)

偏差値50
1 志望する業界が2~3まで絞れている。もしそれらの業界に内定をもらえなければこの業界、と下位候補もある。
2 自分の強みが挙げられ、志望動機とリンクしている。(部活のマネージャーとして他校との交渉を行った→交渉事が多い商社で働きたい、など)
3 企業のホームーページや採用ページを見てから面接に行く。
4 企業説明会や面接で「質問はありますか?」と聞かれた時、下調べができているからこそ聞きたいことがある。

偏差値60
1 将来、どんな商品(サービス)を作りたいか、と聞かれたら具体的に答えられる。(今は、もしくは今後はこれが流行る。こういう時代が来る。だからこういった商品をつくりたい、と返せる)
2 当社の商品やサービスで何が好きですか? と聞かれた時、なぜ好きか、どこが優れているかを言語化しつつ答えられる。
3 志望する業界の今後について語れる(今後、こういった商品の売り上げが伸びるはず、等)。それはイメージでなくググって情報収集をした結果である。

偏差値70
1 当社の商品やサービスで何が好きですか? と聞かれた時、なぜ好きかを言語化しつつ答えられるだけでなく、ここをこうすれば若い世代にもウケる、などと提案付きで話せる。
2 志望する業界にどんな企業があり、どんなポジショニングかわかる。(最大手はこの会社、2番手はこの会社、ここに強みがあるのがこの会社、等)。だから「この業界を志望する理由」だけでなく「この企業を志望する理由」も話せる。

3教科目「面接、エントリーシートでの伝え方」

「あてはまる」と思うことがあったら、偏差値50にカッコ内の数字を足すか引くかしてください。なお、どれだけ足し引きしても、下限は30、上限は70にしてください。

<面接のマイナスポイント>
・答えの多くがしどろもどろである(-3)。もしくは答えの一部がしどろもどろである(-2)。
・面接を終えたあと、たいてい「自分の良さは伝えられなかった」と感じる(-3)。たまにそう感じる(-2)。
・話したいことはあるが、話しているうちに頭が真っ白になったり、まとまりがなくなったりする(-2)
・話せるが、覚えてきた答えの棒読みになりがち(-2)。
・話が長く、多分、相手が聞きたいとは思っていないことも話している(-2)。
・質問に対する結論がなかなか出せない(-1)。(「志望動機は?」と聞かれ「○○です。私は学生時代にこんなエピソードが~」と話せればいいが、逆に「私は学生時代にこんなエピソードがあって~こんなことを考えて~だからこういう志望動機なんです」という順番で話す場合は-3、という意味です)
・姿勢が悪い(-1)
・声が小さく、時折「聞こえませんでした」「もう一度…」などと再確認される(-1)
・話に句読点がない(-1)。(例えば「私が○○した時に~、○○と言われ~、○○を考えたら~、○○になって~、○○が起きて~、だから○○と考えて~」と延々と続けてしまうことがある)

<面接のプラスポイント>
・相手がどんな答えを望んでいるか理解した上で自分の話ができる(+3)。(こういう答えが満点なんだろうな、と思いつつ、それに自分のことを寄せて話せる)
・面接を終えたあと、たいてい「自分の良さが伝えられた」と感じる(+3)。もしくはたまに感じる(+1)。
・自然な笑顔いっぱいで話せる(+2)。時折、笑顔が出せる(+1)。
・質問に対し結論から返せる(+1)。
・身振り手振りも加えて表情豊かに話せる(+1)。
・面接官や人事の方に対しても自然体で話せる(+1)。(例えば難しい質問がきたら「難しいですね、少し考えさせてください」と考えたあと話せるなど、面接官相手にも部活の先輩と話すくらいの感覚で話せる)。
・時には面接官をおもんぱかる余裕がある(面接の最後で「お疲れ様です!」とか「私のいいところを引き出していただいてありがとうございました」などと言える)(+1)。
・時には面接官の笑いがとれる(+1)。

<エントリーシートのマイナスポイント>
・質問に対し何を答えたら満点かを考えず、漠然と答えている。(「誰かと一緒に何かを達成した経験はありますか?」と聞かれ「会社側はチームで動ける人間かどうかを聞きたいんだな」と想像した上で書いてはいない。(-3)
・書くネタがなくて困ることがある(-2)。
・誤字脱字がある(-2)。
・同じネタ……面白いネタ、起業や部活で大きな実績を残した、という話であっても1つのネタばかりでエントリーシートの問題を埋め尽くしてしまう(-1)。

<エントリーシートのプラスポイント>
・「エントリーシートはネタ出しである」と考え「ここまでエントリーシートに書き、ここからは面接で話すこと」と切り分けができている。(+2)
・エントリーシートにビジネスの名言が入っている等、差別化要素がある(+2)。
・エントリーシートで、自分に有利な質問(自分が話しやすい質問)に誘導できている(+2)

「就活偏差値」の計算式

いかがでしたか? 最後に、就活の偏差値を算出しましょう。

・1教科目が最も重要です。なので、1教科目の偏差値は2倍にしてください。偏差値60なら120にします。
・これに2、3教科目の偏差値と、あなたの大学の偏差値を足してください。
・5で割ってください。
それがあなたの「就活偏差値」です。

※「学歴」の考え方
・学歴は関係ないと宣言する企業も多数あります。私個人も人の能力の判断材料には使いません。しかし一般的に、就活偏差値の1教科分くらいは関係します。
・逆に、学歴を得るために小中高12年間頑張るより、適職を得るべく確かなメソッドで就活を頑張るほうがよほど効率がよい、とわかります。何と言っても学歴の影響は5分の1ですから!
・「就活は学歴で決まる」は誤った極論です。実際に私の学生の中には、いわゆる「Fラン」から、東大や京大卒ばかりの企業に就職した人物も数多くいます。
・「就活に学歴は関係ない」も誤った極論です。いわゆる「いい大学」に入った人はそれだけ小中高校で頑張ったはずなので、ある程度有利になるのは自然なことかもしれません。
・結論。「学歴も要素の一つ」くらいに思ってください。

就活偏差値で自分の強み・弱みがわかる

就活偏差値で何がわかるのでしょう? 

まず「面接に弱い」「企業のことを知らない」など、自分の弱みがわかります。これにより、あなたにどんな対策が必要かわかります。このサイトも「就活偏差値の結果がこうであればこれを意識してください」と提案する構造になっています。

就職活動では、企業に「あなたのここが悪くて落としました」と言われることはありません。いつまでも、自分自身が「何となくこうだから落ちたと思う」くらいのことしかわからないのです。これでは対策はできません。

次に、今の自分がほかの就活生に対しどんなレベルにあるのかがわかります。下記のとおりです。

■偏差値30台
・人手不足の企業も落ちる可能性がある。
・自分との相性がよい企業を受けようにも、自分がどんな仕事なら向いているかも理解できていない。
■偏差値40台
・人手不足の企業なら内定をもらえる。大手企業や人気の職業は難しい。
■偏差値50台
・自分との相性がよければ、有名企業、もしくはその子会社等に内定をもらえる可能性がある。
■偏差値60台
・面接を受ければ人気企業でも二次、三次、役員面接へと進むことができる。ベンチャー、大手を問わず内定をもらえる企業が多く、最終的に選ぶ側になる。
■偏差値70以上
・人気企業からいくつも内定をもらえる。選びぬかれた就活の勝者。

ではさっそく対策を始めてみましょう。トップページに戻ってください。